カナダ入国に際して2016年3月15日からeTA(電子出入国カード)が必要になったことを知らずに、能天気にプエルトリコのサンファン(SJU)から米国ダラス・フォートワース(DFW)経由でカナダ、バンクーバー(YVR)へ向かおうとした私は、サンファンの空港で足止めを食いました。 予約してあったフライトには搭乗できず、何とか辛うじて次のフライトを乗り継いで、予定を大幅に遅れてバンクーバーに真夜中に到着したというお恥ずかしいお話です。
カナダ入国にはeTA(電子出入国カード)が必要
何と2016年3月15日からカナダもeTAという、米国のESTAに似たシステムを導入していたんですね。 全く気がつきませんでした。 何と言っても昨年(2016年)8月にバンクーバーを訪れた時にも何の問題もなかったのに…..
2016年3月15日からカナダ入国には事前にeTA(電子出入国カード)の取得が必要になります。
However, from March 15, 2016 until fall 2016, travellers who do not have an eTA can board their flight, as long as they have appropriate travel documents, such as a valid passport.
2016年秋まで特例期間
要するに私が昨年(2016年)カナダを訪れたときは、まだ特例期間だったようで、そんなビザを持っていなくてもお咎めなし。 でもカナダのイミグレもせめてその時に紙の案内でもくれていれば私も気がついたのにねえ…… おかげで翌年2017年にえらいトラブルに巻き込まれてしまいました。
サンファン空港で足止め
さて事の発端は、プエルトリコ、サンファンの空港。 この日はSJU-DFW-YVRと飛ぶだけの簡単な移動日である筈でした….. いつもの通り出発時刻の1時間ちょっと前にチェックインカウンターに行ってチェックイン手続きを開始します。 ここまでは何の問題もなし。
ところが担当者はカナダのビザのことを聞いてきます。 日本人の場合は、ビザなしでも渡航できると思い込んでいた私は、余裕をかましてそのように答えていたのですが、そのうちどうやらeTAと呼ばれる電子申請システムが導入されて、カナダ入国にはそれが必要らしいということがわかりました。
それならどうせ米国DFWで3時間くらいレイオーバーがあるので、とりあえずDFWまで飛んで、DFWで電子申請をするから、ということで一応話はまとまり、DFWまでの搭乗券をもらってセキュリティを通過。 ところがゲートで搭乗しようとすると、ゲートのチェックインマシンでエラーが出ているようです。
ゲートでレッドアラート画面!
私もこんな恐ろしげな画面初めてみましたが「DO NOT BOARD THIS PASSENGER」という表示のレッドアラート画面でした。 もうまるで私がテロリストにでもなってしまったみたいな感じ。 今から思うとこの画面の写真でも撮っておけば良かった、くらいに思いますが、この時はとてもそんな状況ではありませんでした。
ゲートの担当係員に事情を説明したところ、彼もさすがにこいつはテロリストや怪しげな人物ではなさそうだと思ったのか、一生懸命このレッドアラートを消して私を搭乗させてくれようとします。 しかし彼の努力もむなしく、レッドアラート画面は一向に消えません。
親切な彼は「今ここでeTAを申請したらどうか?」と提案してくれましたので、早速トライしてみます。 しかしダサいことにサンファン空港には無料のWIFIがないのです。 そのことを言うと、親切な彼は「それじゃ俺のスマホからテザリングしてやるから」といって、私のiPod touch6で彼のWIFIを使わせてくれました。
すぐにeTAのサイトは見つかり、申請を始めましたが、何せ横ではすでに搭乗が開始され、そのうち搭乗が終了してしまい、時間切れ。 TIME IS UP! そりゃいくら何でも間に合うはずありません! そもそも申請できたとしても、カナダ側からの許可が出ない限り駄目なわけですし…..
予約してあった搭乗便に乗れず!
私の乗るはずだったフライトを、むなしくゲートから見送ります。
午後いちの次のフライトを手配
というわけでこの時点で次善の策を模索することに。 ゲートの親切なお兄ちゃんは、何とか次の便を手配してくれました。 すると何とこの日午後の便でもDFWから乗り継いでYVRまで到達できるようです。 ただしYVR到着は真夜中過ぎ、つまり翌日になってしまいますが….
幸か不幸かこの時は宿泊がホテルではなく、バンクーバーの友人のRandyのところに泊めてもらうことにしてありました。 空港でのピックアップもRandyに連絡さえつけばなんとかなりますのでこのいわば「プランB」でも大丈夫。
SJU-DFWがエコノミークラス
ただしこのプランBには問題点があって、SJU-DFWの午後便にはビジネスクラスの空きがないので、エコノミークラスで行かなければならないこと。 幸いなことにDFW-YVR間にはビジネスクラスの空きがありましたので、とりあえず確保してもらいます。
プランC
次に検討したのが「プランC」。 それは旅程をまるまる1日ずらすこと。 つまり翌日の同じ便でSJU-DFW-YVRと飛ぶこと。 ゲート担当者に確かめてもらったら、ビジネスクラスにそれぞれ1席空きがありました。 プランCなら一応ビジネスクラスでバンクーバーまで飛べます。
しかしプランCの問題点は、到着予定翌日にはすでにバンクーバーのフランス料理店の予約を18:30に入れてもらってあることとサンファンでもう1泊しなければならないこと。 プランCだとバンクーバー到着は19:10頃ですから、イミグレとカスタムを考えると、早くても20時前後にならないと空港の外には出られません。 そうなるとこの日のフランス料理店は予約変更にならざるを得ません。 それとサンファンなんかにもう1泊したくなんかありません。
結局プランBを選択
というわけで、ほぼプランBに心を決めて、ゲートを離れ空港のセキュリティ区域を出ました。 さてWIFIの使えるところで何とかカナダのeTAの申請を、というわけで泊まっていたエアポートホテルまで戻り、そこの無料WIFIを使わせてもらって、iPod touchではなくパソコンからeTAの申請を何とか済ませます。
eTAがすぐには発行されない
すぐに空港チェックインカウンターへ戻り、再度事情を話して午後便にチェックインしようと思いますが、そうは問屋が卸しません。 eTAの申請はしてありますが、まだ許可が下りていなかったのです。 チェックインカウンターの担当者Judyにカナダボーダーに電話をしてもらい、申請確認番号でeTA発行のプッシュをしてもらいます。 結局Judyに電話で2回プッシュしてもらって、約40分後にようやくeTAの認可がおりました。
SJU-DFW アメリカン航空エコノミークラス
ビザさえOKであれば、あとは何の問題もありません。 ビジネスクラス乗客のノーショーを期待して、一応念のためにビジネスクラスのスタンバイリストのトップにおいてもらいましたが、この日は日曜日で完全満席。 財政破綻したとは言え、プエルトリコはまだまだ結構人気のリゾートのようです。 はかない希望もむなしく、ファーストクラスチケットでエコノミークラスに搭乗するハメになってしまいました。
でもどうせアメリカ国内線ですからビジネスもエコノミーもそれほど大きな違いがあるわけではありません。 ここは利便性を優先した方がいいという判断です。 これが中長距離国際線だったら多分また別の判断になったかもしれません。
友人Randyにも連絡がつく
無事にダラスの空港ラウンジでRandyに事情をメールで知らせたところ、しっかり返信ももらったので、空港でのピックアップも問題なし。
DFW-YVR アメリカン航空ビジネスクラス
機内食
珍しくラウンジでも少しは食べましたが、機内で若干空腹になってきたので、こんな機内食を一応食べてしまいました。 バンクーバー到着が真夜中過ぎですから、着いてから食べるというわけにもいきません。
真夜中過ぎにバンクーバー到着
何とか真夜中過ぎに無事バンクーバーに着き、Randyに車でピックアップしてもらったという長ーい1日でした。 カナダは第2の故郷と思っていた私の心の緩みが招いた事態で、自業自得といえばそれまでですが、参りました…..
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